大阪・関西万博2025 リボーンステージ外観
会場となったリボーンステージ。

大阪ジュエリー工芸協同組合(池田謙一理事長)は、8月27日午後1時から、大阪・関西万博2025に出演し、大阪ヘルスケアパビリオン「リボーンステージ」で実演イベントを行った。

「黄綬褒章」「現代の名工」の多田孝之氏をはじめ、組合を代表する「なにわの名工」が登場し、ステージに特設された作業台で切り出し・透かし・石留・彫りなど、それぞれ得意とする技術を公開しながら作品を仕上げていった。
作業台で進む細かな手仕事は会場のスクリーンにも映し出され、工程の節目ごとに客席から拍手や歓声が上がった。

イベント終盤には、完成したサンプルを観客へプレゼントすることがアナウンスされると、会場の期待がさらに高まる展開となった。サンプルはその場で手渡しされ、多くの来場者が作品を手に取りながら職人とことばを交わす姿が見られた。

池田理事長は、ジュエリー制作の現場を見てもらうことで、ジュエリーをより身近に感じるきっかけになればよいと今回の狙いを語った。

実演内容

氏名/所属 主な受章 作品 技法の要点
多田孝之(ただたかゆき)/ 多田商店 黄綬褒章、現代の名工、「なにわの名工」 ペンギン(シルバー925)ブローチ 板材からシルエットを切り出し、エッジの表情で立体感を出す。
池田謙一(いけだけんいち)/ アトリエいけだ 「なにわの名工」 蝶(シルバー925)ペンダント 透かしで羽根の文様を抜き、軽さと光の抜けを設計。
奥野剛司(おくのつよし)/ ㈲おくの宝飾 「なにわの名工」 キュービック・シルバーペンダント 石座の精度と爪の倒し込みで石を安定させ、輝きを最大化。
小玉弘毅(こだまひろき)/ 宝飾工房こだま 「なにわの名工」 写楽(真鍮)プレート 鏨の角度と圧で線を彫り分け、浮世絵の強弱を金属に置換。

大阪ジュエリー工芸協同組合について
1965(昭和40)年設立。業界屈指の職人・技術者と関連宝飾企業が集う団体。技能の継承、人材育成、地域産業の活性を主軸に活動。今回の万博出演は、現場の技術を生活者に開く取り組みの一環と位置づける。